TCH(歯と歯をくっつける習癖)の直し方
TCH(歯と歯をくっつける習癖)とは何かについては、こちらのリンク先に記載されていますので、ご参照ください。
ここでは、TCHを是正する方法について記載します。
歯と歯を無意識にくっつける習癖は改善が困難です。
基本は、違和感等を感じたら歯と歯を離すようにすることです。
歯と歯を合わせていると気がつくたびに意識的に歯と歯を離す。これにつきます。
そのときは、唇は閉じたまま行うのがよいです。
ここでは、もう少し突っ込んだお話をしたいと思います。
エビデンスとして効果があるとされる方法は、認知行動療法です。
最も簡単な方法は、リマインダーをたくさん仕掛けることです。
例えば、歯と歯を離すと記載した付箋を目に入る至る場所につけて、
目に入るたびに歯と歯をくっつけていないか確認する方法です。
テレビを見るたび、キッチンに立つたび、付箋を目にするたびに歯と歯がくっついていないか確認します。
少し大変ですが、自分の状態を振り返って直すように促す方法は効果があります。
以下に述べる事は、まだ仮説の段階ですが、理学療法的なアプローチが有効と考えています。
歯と歯をくっつける習癖はなぜ起こるかの仮説です。
猫背に由来するという考え方です。
基本的に頭は重いです。4キロ以上の重さです。
それを首などで支えています。
重いスイカが首の乗っていて、体の軸から横にずらすと落ちてしまうことを想像してみてください。
体軸がまっすぐにできれば最小限の力で支えることができますが、
猫背になると頭が前方に倒れる力が働くので、首の後ろの筋肉を総動員して、バランスをとる必要がでてきます。
その、歯と歯をくっつけて筋肉をロックさせることで、バランスをとっているとする考えです。
理学療法的な考え方では、歯と歯をくっつけるのも、首に力が入って痛みがでるのも、肩こりがおこるのも、
結局重い頭を支えるのに、軸から首がずれているため、大きな加重が首にかかるので、それを支えるために、周りの筋肉を総動員している状態の一つであるということです。そのために、頭を支える筋肉が常に緊張状態にあるので、疲労物質がたまって肩こりや首の痛み、偏頭痛なども引き起こします。
歯と歯をくっつける習癖、TCHだけを是正しようとしても、TCHが角度のついた重い頭を支えるための代償行為だとすると、
習癖だけ直すのは困難です。
そこで、個人的におすすめするのは、頭を重たいスイカと考えよう!です。
どういうことかというと、首の上にスイカを乗せているという意識を常に持つということです。
例えば、猫背になると、スイカが前に落ちそうになると認識できると思います。
なので、頭を体のライン上に乗せること(頭の中心を天井から糸で引っ張られているイメージ)で、スイカが落ちないようにコントロールします。
それに加えて、体中、肩、首の力は抜いて、おへその下の丹田に力を入れて、軸の上にスイカ(頭)を載せるというイメージにします。
最初は慣れないかもしれませんが、軸の上に乗るようになると、大分楽になります。
重要なのは軸の上に頭を載せることと、顎をあげない、力を入れないの3点です。
そのときに、舌を上顎につけるようにして、下顎はリラックスして歯と歯が離れるようにしておく。
唇は必ず閉じるようにしてください。
筋肉は姿勢を正す筋肉だけ使って顎周りの筋肉は極力リラックスしてください。